
YESの黄金期を支えたキーボードプレイヤー、リックウエイクマンのソロアルバム。
YESのキーボードといえばリック、と誰もが認識していることとは思いますが、 この人YESだけでは満足できなかったのか、もうとんでもない数のリーダーズアルバム出してるんですよね。
当時、調べてみて仰天しました。
とてもじゃないですけど全部は追いきれません。
なので初期のアルバムに限って、話を進めていきたい、と思います。
おおむね評価が高いのは70年代のアルバムですが、私がいくつか聴いた内で、あ、これなかなかいいのでは、と思ったのがMyths & Legends Of King Arthur & The Knights Of The Round Table(1975)。
もう、すごいことになってます。
一切のためらいなく、これでもかとばかりにプログレファンが思い描くところのクラシカルシンフォ、まさにそのど真ん中。
とんでもなく大仰で勇壮、次から次へと繰り出されるクラシカルなフレーズのつるべ打ち。
ある種の様式美、といっていいほどその手の音でガチガチに固められてます。
ちょっとやりすぎでは、と思えてくるほど。
クサい、と感じる人も中にはいるかもしれません。
またこのアルバム、キースエマーソンのようにジャズや現代音楽的アプローチがほぼ見受けられない、というのも特徴でしょう。
その分、わかりやすい、というのはあると思います。
あとリックといえば、本物のオーケストラと競演した「地底探検」が有名ですが、

私はこれ、ダメでした。
なぜだかわからないんですけど、リックのキーボードがオーケストラから浮いて聴こえるんですよね。
物語仕立てになっていて、途中で英語のナレーションがちょくちょく入ってくるのも、ヒアリングが不自由な身としては興ざめでしたし。
ちょっと自己陶酔気味かな、と思える音ではありますが、その手のファンには充分訴えかける内容だと思います。
もう少し控え目でもいいんですよ、と思ったりもしなくはないですが。
でもそれじゃあソロアルバムの意味がないですし、うーん、難しいところですね。
